30/11/2021
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後期高齢者の医療負担増加がもたらすメリット

政府は、全世代型社会保障の実現に向けて、これまで通りの収入に応じた医療費の負担の推進とともに、2022年度後半から後期高齢者医療制度(※)の高齢者の医療負担を2割に引き上げるとしている。
※75歳以上の方が国民健康保険の代わりに加入する医療制度。詳細はこちら

現在、後期高齢者医療制度の保険料は高齢者が1割、現役世代の健康保険料から4割、残りの5割を税金で賄っている。後期高齢者医療制度によって医療費の負担が明確化された結果、現役世代の負担が増大していることがわかっている。加えて、後期高齢者医療制度を支える現役世代の人口は減少傾向だ。高齢者の医療負担を2割に引き上げることによって、後期高齢者医療制度の財政の健全化をはかることができるだろう。

また、国の医療費の4割近くを占める高齢者の医療費の割合を抑えることにもつながると考えられている。高齢者の医療負担が増えることで高齢者の受診控えや家計破綻が懸念される一方、社会保障制度の充実という結果が起きている、過剰な医療の供給を抑制できるという見方もある。高齢者が必要のない受診を控えることで、医師不足によって起きている医師の負担を軽減でき、医師が1人1人の患者にかける時間も確保できるようになる可能性もある。

高齢者の医療負担の増額によってできた医療費の一部を、特に医師が不足している産科や小児科の医療報酬にあてることもできるかもしれない。しかし、医療費を削減するためには、高齢者だけでなく個々人が医療に対する意識を変え、知識を持つことも必要だ。